1.ロジカルシンキングとは

◆ロジカルシンキングとは

ロジカルシンキングとは、一貫していて筋が通っている考え方、あるいは説明の仕方のことです。
日本語に訳すと「論理的思考」 「論理的な考え方」をさします。

物事を論理的に捉えながら話すことにより、聞き手にもわかりやすく伝えることができます。
また、問題解決の際にも原因特定や解決策の立案に効果的な思考プロセスです。
ビジネスシーンでは、分かりやすく筋の通っている話し方や相手を納得させる話し方を身につけることはとても重要です。

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い

また、関係性を深い言葉でクリティカルシンキングという言葉もあります。
クリティカルシンキングは「物事を鵜呑みにせずに吟味し、適切に疑う思考態度」「その考えが正しいのかを検証して本質を見極める行動をさします。

ロジカルシンキングだけでは、前提となるデータが正しいかどうかは不明であり、
クリティカルシンキングだけでは、具体的な行動にはつながりません。
どちらも併用すると、より的確な提案を導くことができるでしょう。

クリティカルシンキングについては後日記事を公開したいと思います。

2.ロジカルシンキングを身につけるメリット


コミュニケーション能力の向上

問題解決力の向上

生産性の向上

提案力の向上

分析力の向上

原因特定と問題解決の能力の向上

他者の話や提案を聞く力の向上

物事の本質を理解できるようになる

自分の考えが伝わりやすくなる

3.ロジカルシンキングの考え方

ロジカルシンキングの基本の推論法は3つあります。

演繹(えんえき)法

法則から結果を生み出す方法で、前提となるルールに目の前で起きている物事を当てはめ、「当てはまるかどうか」で結論を出すという推論法です。
仮定や仮説からではなく、事実に沿った内容が前提であるため、強い説得力が持てることが特徴です。

演繹法は、正しいとされているルールに物事を当てはめて結論を出すものなので、「今後の市場動向の予測」や「戦略や方針に基づいた企画立案」「会議のファシリテーション」「企画を提案する際のロジック」など事業・戦略立案との相性が良い手法です。

構成としては、
大前提→小前提→結論
もしくは
前提→結論 
の形で論理が展開されていきます。

判りやすい具体的な例を下記に挙げます。
前提①『羅生門』の作者は芥川龍之介である。
前提②『蜘蛛の糸』と『羅生門』の作者は同じである。
⇒結論 :『蜘蛛の糸』の作者は芥川龍之介である。

この例を数式でいえば、
A=B かつB=C である場合、A=Cが成り立つ といった考え方です。


帰納法

複数の事実や事例をもとに導き出される傾向から、結論や規則性を見つけ出すという推論法です。
規則性を導き出すための事実や事例が多いほど納得感を与えやすいのが特徴です。

複数の出来事をもとに、規則性を見つける場合で役立つため、営業・マーケティングとの相性が良い手法です。収集した結果が多いほど、より納得感のある結論に結びつけることができます。

構成としては、
出来事①&出来事②&出来事③…→結論
の形で論理が展開されていきます。

判りやすい具体的な例を下記に挙げます。
出来事①『羅生門』の作者は芥川龍之介である。
出来事②『蜘蛛の糸』の作者は芥川龍之介である。
出来事③『杜子春』の作者は芥川龍之介である。
⇒結論:芥川龍之介は小説家である。


◆弁証法

 肯定と否定の対立する事象をすり合わせることによって、矛盾を解決し、よりよい結論を見出す推論方法です。
対立する物事から新しい見識を見いだせることが特徴です。
例えば、社内会議で対立する二つの意見に考えが二分されたときなど、2つの対立する意見が平行線を巡った時に相性が良い手法です。

構成としては、
肯定的な意見や出来事&否定的な意見や出来事→結論
の形で論理が展開されていきます。

判りやすい具体的な例を下記に挙げます。
肯定的な意見:読書をすると知識が身につくため読んだ方がいい
否定的な意見:暗い場所で読書をしたら目が悪くなったため読まない方がいい
⇒結論:明るい場所で読書をしよう


4.トレーニング方法

意識して結論から話す

インプット・アウトプットの練習をする

わかりやすく簡潔に話す練習をする

一方的ではなく、双方が話せる状況を意識する

情報を取捨選択して使う

ロジカルシンキングを日常的に実践する

仮説を立てることを習慣化する

セルフディベートで論理的思考を補強する

5.まとめ

ロジカルシンキングは、ビジネスシーンで非常に有用なもので、習得しておくことで役立つスキルです。
ただし、ロジカルシンキングでたどり着いた結論は、問題を解決するための1つの手段にすぎません。
答えはそれだけではないということも理解して運用しましょう。

私たち「中日本コミュニケーション」は人材派遣を中心に、専門性の高い業界への総合人材プロデュースサービスを行っています。厚⽣労働省認可のキャリアコンサルタントが研修を行っておりますので、初めてご利用される方もご安心ください。
まずはお気軽にお問い合わせください!

お問い合わせ